農力検定の目的と特長
*農力検定の目的
今、農業に憧れる老若男女が増えています。それは「つながり」や「きづな」が希薄になった都会生活や、勝ち続けなければ負け組のレッテルを貼られる競争社会の反動なのかもしれません。雑誌やテレビ番組でも多くの特集が組まれているほか、実際に市民農園や農家民宿、援農バイトやボランティアで農作業をする人も増えているようです。
しかし単発的な体験作業やレジャー感覚の収穫イベントに参加しただけでは、農作業の知識は身につきません。そこで持続可能な生活を考える会では「農力向上委員会」を立ち上げ、農的知識を体系的かつ効率的に習得して頂くことを目的に「都市生活者のための農力検定」を創設しました。
*農力の重要性
百獣の王ライオンは、親から狩の仕方を学びます。単細胞生物のアメーバに至っては、誰に教わることなく餌を捕食します。しかし万物の霊長であり、食物連鎖の頂点に君臨しているはずの我々の多くは、「自分で自然界から食物を採取して食べる」という生物としてごく当たり前のはずの術を知りません。
よくよく考えればそれは、ネイティブの外国人と気兼ねなく話す英会話力より、次々と世に出る最新のツールを難なく使いこなすITセンスより、よほど大事な基礎的能力なのではないでしょうか。
*農力は「No!力」
数年前に生活保護が受けられなかった失業者が、「おにぎり食べたい」という遺言を残して餓死していたという事件がありました。極端な例かも知れませんが、あなたも似た境遇ではありませんか?「とても社会に貢献しているとは思えない仕事に、日々追われている」「あまり人道的とは思えない指示を受けても、首にはなりたくないので逆らえない」
そう、すべてを金で解決する社会で、すべてを金で解決する生活に染まってしまうと、いつの間にかお金に縛られて、人間としての当たり前の判断さえできなくなるのです。もしあなたがそんな閉塞感に苛まれていたら、ますは自給力を高めましょう。農力は「No!力」。それが、人間性を取り戻す第一歩なのです。
*農力の幅と奥行き
そうはいっても、「農家が百人集まったら、百通りのやり方がある」といわれるのが農作業のノウハウです。とても一筋縄ではいきません。そこで農力向上委員会では、ベースとなる級ごとの資格要件だけを整え、細かい認定基準や合否判断は主催者団体にお任せするオーナーシップ検定制度を採用しています。
ですので同じ農力検定3級でも認定団体によって内容に多少のばらつきも出ますが、逆の捉え方をすればそれが個性であり、自分の方向性に合った農法を探し選ぶことのできる、幅の広さや奥の深さでもあるのです。
カテゴリー:99農力検定とは | 投稿者 xbheadjp : 2010年08月05日 17:59