国際家族農業年から始まる小規模農業の道:撮影取材記録
有機農業の枠を超えて、アグロ・エコロジーを推進しようとローカルグッド!キャンペーンの企画を詰めているなかで、関根先生に国際家族農業年にまつわる講演会のご紹介を受けたので、撮影取材にお邪魔しました。
2014年は国連が定める国際家族農業年です。気候変動、飢餓、社会開発における諸問題に対応するため、FAO(国連食糧農業機関)などの国連機関は、大規模農業を重視する政策から小規模家族農業を重視する政策への転換を求めています。国際潮流が大きく変化する中、日本政府は国内では輸出志向型農業や企業農業を推進し、海外では輸出向けの大規模農業開発をモザンビークでODAを使って行っています。現在進められているTPP交渉は、国際潮流に逆らう形で日本や世界の農民を窮地に陥らせ、生態系の破壊など世界レベルの持続可能性を損なう事態をもたらすと懸念されています。この度、世界食料保障委員会(CFS)の専門家ハイレベル・パネルの報告書『食料保障のための小規模農業への投資』の研究チーム代表らがフランスから11月下旬に来日します。このチームに日本から参加している研究者らとともに、こうした国際的潮流の意義を考えます。そして、日本の農業政策および海外開発支援において、小規模家族農業重視の政策を実現することの重要性を考えます。
<概要>
*日時:2014年11月24日(月・祝)15:00〜17:00
*場所 立教大学池袋キャンパス太刀川記念館3階多目的ホール
*参加費:無料
*主催:立教大学経済研究所
<状況>
*講演
・関根佳恵氏(愛知学院大学専任講師)
「国際家族農業年と日本農業」
・ピエール・マリー・ボスク氏
「国際家族農業年の意義と家族農業が直面する課題」
・ジャン・ミエッシェル・スリソー氏
「21世紀における世界の家族農業」
・郭洋春氏(立教大学経済学部教授)
「市場の自由化と農業〜TPPをめぐる問題と日本農業」
*コメント
・古沢広祐氏(国学院大学経済学部教授)
<登壇者略歴>
・ピエール・マリー・ボスク(Pierre-Marie Bosc)さん
フランスの農業開発研究国際協力センター(CIRAD)の上席研究員。サハラ砂漠以南のアフリカにおける農業イノベーションや農業開発に関する研究を中心に手がける。2005年には、農業生産者組織が自然資源の管理において果たす役割について、著書を発表。これまで、家族農業とグローバリゼーションに関する研究プロジェクトに複数、参加している(1998年、2002~2004年)。国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)およびフランスが連携して組織する世界農業ウォッチ)の立ち上げに関わり、現在はその科学者コーディネーターを務める。2013年に国連世界食料保障委員会(CFS)の専門家ハイレベル・パネルルが発表した報告書『食料保障のための小規模農業への投資』の執筆では、研究チームの代表として指揮をとった。
・ジャン・ミッシェル・スリソー(Jean-Michel Sourisseau) さん
フランスの農業開発研究国際協力センター(CIRAD)の上席研究員。社会経済学者。家族農業とその戦略やパフォーマンスについて研究している。編著書『家族農業と来たるべき世界』が、その英語版『Family Farming and the Worlds to Come』とともに近刊予定。
Report as
カテゴリー:062TPP関連 | 投稿者 xbheadjp : 2014年11月25日 18:23