中村哲先生特別講演会「蘇る!アフガニスタン大地と暮らしの物語」撮影記録
なにかと縁の深い種まき大作戦のハッタケンタロー氏から撮影記録を頼まれたもので、スタッフとして参画しました。
もちろん戦争を体験した方々が、平和を望むのは重要なことです。しかしそれを受け継ぐべき次の世代は、ただ平和を願えばそれで良いのでしょうか。戦争をしないという選択肢に小さく「アメリカの傘に守られて」という但し書きがついているとき、私たちはそれを見なかったふりをしていて良いのでしょうか。参院選公布前夜の夏至の日に、明治学院大学で開催された中村哲先生特別講演会「蘇る!アフガニスタン大地と暮らしの物語」は、いろいろなことについて考え直さざるを得ない内容でした。
テロとの戦いという大義名分のもとで米軍機の無差別爆撃に苦んでも、地球温暖化の影響と疑わざるを得ない大干ばつに喘いでも、誰を責めるもでもなく人力で水路を掘り、故郷の田畑を甦らせた現地の農民たち。一方で私たちは、パックスアメリカーナの恩恵で奇跡的な発展を遂げ、湯水のように石油を使い、買い叩かれた輸入食材を喰い散らかしていて、それを当然の権利と思うように洗脳されています。エネルギーを調達する利権のためにどれだけの戦禍が繰り返されてきたか、モノカルチャーな農地を切り開くためにどれだけ原住民の排除が行われていたか、それが悪行ロンダリングとも見て取れる市場経済を経ることで、消費は美徳とまで勘違いさせられているのです。
そもそも治水は、行政任せではなく人々の協力でなされるものでした。そもそも食糧は、市場で買う物ではなく、耕し作るものでした。それを忘れて平気でいる私たちは、水不足が恒常的に続いたとき、世界的な食糧危機が目前に迫ったとき、それを経済力や軍事力で確保することに、抗うことができるのでしょうか。すべてを金でしか解決できなくなった都市生活者の唱える戦争反対は、逆に危うい気配さえ漂います。
・・・ほんとうの平和を望むなら、なにより土を耕そう。
「寄付が集まらなくなるので、これ以上は話さない。」という言葉の裏に、見送った加藤登紀子さんとの別れ際、眼に浮かべたという泪の奥に、ペシャワール会医療サービス総院長の言い出したくても言えないもどかしさが宿っていると思ったのは、考えすぎでしょうか。
・・・ほんとうの平和を望むなら、なにより土を耕そう。
<概要>
*日時:2016年6月21日(火)18:50〜21:00
*場所:明治学院大学 白金校舎 3号館1階 3201教室
*資料代:一般1500円/学生1000円
*主催:種まき大作戦実行委員会
*趣旨説明&主催挨拶
*講演
*質疑応答
*Yaeさんよりメッセージ&歌のプレゼント
>ペシャワール会:http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/
>種まき大作戦:http://www.toziba.net/project/link/tanemaki/
カテゴリー:067持続可能性 | 投稿者 xbheadjp : 2016年06月23日 20:28