みずほの村市場
10月17日(土)ふるさと起業塾の受講仲間と「瑞穂の村市場」視察に行きました。
*直売所全景
*併設の蕎麦屋で社長のレクチャー
*直売所の商品展示例
*社長自ら試食サンプル販売
1.長谷川社長のお話としては、
1)戦後、高度経済成長を目指した政府の農政により農業が供出の域を出ず産業になっていない。
2)農家に価格決定権がないため責任を持って考えることをせず、質より量の農業が蔓延っている。
3)消費者も便利さばかりを追い、考えず、主張はするのに責任は取らない体質になった。
(1個のキャベツをどう食べきるか考える想像力が欠ける、与えられる生活に慣れてしまった)
4)量と値段だけで品質を加味しない取引によって機能が衰えた農産物ばかりになった。
5)トマトにもキャベツにも命あり、健全な環境を整えてやれば品質のよい農産物となる。
(土壌や適地適作を考え、必要に応じて化学肥料や農薬も使う。有機無農薬がベストではない)
2.事前に頂いた質問に関しては(直に答えて頂いた訳ではありませんが)
=直売所の現状=
*顧客層(地元と県外の構成比)
→テレビ放映後、県外からの率も高まったが基本は地元客。
*品質の基準はどのように設定していて、どのように運営しているのか。
→販売契約金など高いハードルを設けて、達成できなければ撤退するしかない自然淘汰されるシステムで運営している。
*お客さんに、商品についてどのような説明をしているのか。
→自分の商品を売ろうとするので、生産農家には説明させない。その代わり顧客に味見をさせる。
*みずほの村市場に参加していない農家・農業団体との関係は?(共存・切磋琢磨?
or ぎくしゃく?)
→憧れの的、ステータスになっている。
*最も重要な成功要因は何か?
→生産農家の理解を得られたこと。
=出荷者の状況=
*みずほの村市場の参加できる農家の基準はある?(参加したいという意思さえあればOK?)
→供給安定性や農産物の品質で選抜していると思われます。
*価格はどのように設定しているか。
→新規参入農家は、すでに提供されている価格より高く値付けしなければならない。
*通常の市場ルートにものせているのかどうか。
→会員の農家は農協等にも卸している。(もしかしたら売れ残りを再出荷しているかも?)
*通常の市場ルートに比べて、農家の収入はどれだけ良くなったのか。
→委託販売で売り上げの取り分はみずほ15%農家85%そのうち2〜30%が儲けに。
*加盟している農業経営者の後継問題について、どのような対策を行っているか。
(十分に生活していけるだけの収入になっているのか)
→新規就農者も数人参加している。
=今までの経緯と今後=
*そもそもこういう仕掛けをするに至ったきっかけは何か?
→農家に価格決定権を与えたかったから。
*ここまで成長させるにあたって最も苦労したことは何か?
→当初はつくば学園都市の高学歴層を狙って失敗した。
*どうやって加盟農家を増やしていったのか?
→一般客より農家が品質を認めてくれた。
*多店舗化は考えていないのか?
→デベロッパー等からの引き合いもあったが、利益率が低いので実現化していない。
*これから、日本の農業はどうなっていくのか?
→国土が狭いので100%自給は無理、少なくとも家畜の餌は輸入しないと成り立たない。
*5年後、10年後のみずほの村市場はどうなっていたいか?
=アドバイス=
*Uターン(過疎化の進んだところ)で、農業するにあたりアドバイスが欲しい。
→適地適作、適材適所。
*他の地方で同じ企画を考えている人に一言コメントするとしたら?
→安売り競争に組せず、農家に価格決定権を与える理念の元に、地域にあった展開を行うべき。
ってな感じでした。(認識に違いがあればフォロー願います。)
3.思ったこと。
*確かに地元の生産農家に稼がせるモデルとしては成功しているが、
運営母体の利益が薄いので多店舗展開に弾みがつかない状況に思える。
日本全体の農家を救い、農業を産業にするためには、もっと利幅を上げて(15→20%?)
経営体質を教誨したほうが良いのでは?
(儲けに罪悪感を抱く「社会起業家」に共通する悩みかも知れませんが)
以上、まとまりがありませんが一応レポートとして事後報告させていただきます。
カテゴリー:農村視察 | 投稿者 xbheadjp : 2009年10月17日 23:05