細川元首相都知事選立候補記者会見撮影記録
脱原発を都知事選のシングルイシューとして掲げる細川護熙元首相の記者会見が再延期の末に行われると知って馳せ参じました。
*日時:2014年1月22日(火)17:00〜18:30
*場所:東京都庁
*会見要旨(抜粋)
なぜ決意をしたかということですが、今の国の目指している方向、その進め方になにかと危ういものを感じているからです。憲法でも、安全保障でも、近隣諸国との関係でも懸念していることがいくつかあります。
経済についても安倍さんは頑張っておられるが、現在の1億3千万人の人口が50年後には9千万人に、100年後には江戸時代に近い3分の1の4千万人にまで減ると予測されるこれからの時代に、いままでのような大量生産、大量消費の経済成長至上主義ではやっていけないのではないか。腹一杯ではなく、腹7分目の豊かさでよしとする抑制的なアプローチ、心豊かな幸せを感じとれる、そういう社会を目指して成熟社会へのパラダイムの転換を図っていくことが求められているのだと思います。
これは世界でも恐らく初めての歴史的実験になるかもしれませんが、世界が生き延びていくためには、豊かな国がその生活のスタイルを多消費型から共存型へと変えていくしかありません。成長がすべてを解決するという傲慢な資本主義から幸せは生まれないということを我々はもっと謙虚に学ぶべきだと思います。
いまのことと関連しますが、私が特に心配しているのは、成長のためには原発が不可欠だといって、政府がそれを再稼働させようとしていることです。そのことに私は改めて強い危機感を持ち、それが今回出馬を決意するきっかけともなりました。原発のリスクの深刻さは、福島やチェルノブイリをみるまでもなく、ひとたび事故が起こったら、国の存亡に関わる大事故になる可能性をはらんでいます。そのためには、現在の原発依存型の、エネルギー多消費型社会を180度方向転換しなければだめだということです。なぜ私がそういう危機感を持つに至ったかということは、3.11がもちろん決定的なきっかけになりました。かつて私も不覚にも信じ込んでいた、原発がクリーンで安全だという神話はもはや完全に崩れ去りました。核のゴミは捨てる場所さえみつからない。捨て場もないのに、原発を再稼働させるようなことは、後の世代に対するまさに犯罪的な行為です。原発がなければ日本の経済は成り立たないという人がいますが、もう2年間原発が止まっていても現に日本経済はなんとかうまくまわっているではありませんか。もちろん、そのために火力発電の燃料費など相当なコストを海外に払っているわけですが、一方で、いままで原発事業の無責任体制によって、原発には実は天文学的なコストがかかっているのです。しかし、それが見えない形で税金などで国民の負担にされて、原子力による発電のコストは安いというごまかしと嘘がまかり通ってきました。原発の安全性の問題や核のゴミのことを考えたら、原発がいかに割に合わないものであるかは明らかです。
そういう原発に依存するよりも、同じコストをかけるなら自然エネルギーなどに変えていく方がよほど生産的だと思いますし、新しい雇用や技術を開発していく可能性もそこから拓けてくるでしょう。世界の自然エネルギー産業の成長を日本に取り込み、成長の切り札にしていく、絶好の機会です。
いまここで「原発ゼロ」の方向を明確に打ち出さなければ、50年100年経っても原発依存の状態から抜け出すことはまず不可能です。私もそういう意味で再稼働にストップをかけ、「自然エネルギー大国日本」を世界に発信していく方向にいま決断すべきときだと確信しています。
>会見要旨全文:http://data.blog-headline.jp/pdf/kaikenyoshi.pdf
>会見用図表:http://data.blog-headline.jp/pdf/kaikenyozuhyo.pdf
>会見動画:http://youtu.be/LO6S19mPB6k
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カテゴリー:エネルギー問題 | 投稿者 xbheadjp : 2014年01月23日 21:18